ラフスケッチです。
まあ、広告系の仕事につきもので、ディレクターからの、言わばこんな画が写したいというフォトグラファーに対する指示書みたいなものであり、クライアントに対するこんな感じの写真を写しますという「約束」になるのです。断っておきますが、広告系の仕事には必ずと言って良いほどありますが、雑誌の編集者が創る編集ページの仕事、特にファッションやグラビアの仕事ではラフスケッチ等というものは全く無く、もっと自由です。この辺の説明は、ちょっと複雑なので詳細は省きます。
このスケッチは、レギュラーの会員誌のメインビジュアルのラフスケッチで、クライアントも、フォトグラファーである私もレギュラーなので、こんなものでもOKです。
広告になると、この画に色が付き、レイアウトもされた、もっと精密(?)なカンプになります。
昔は、カンプライターという職種の人が画を描いたのですが、現在は、デザイナーがWebのストックフォトからダウンロードしたり、自分のデジカメで撮影してきたデータを使ったりして「この写真で良いじゃない?」と馴れないクライアントの担当者に言わせるほど、精密なカンプができてしまいます。
そうなると、フォトグラファーは、極限られた範囲の中で自分の感性を発揮し、テクニックを発揮します。
また、スタイリストさんも、ADやDと打ち合わせをした後、物を集め、集めた物にそってラフスケッチを描いたり、その逆で、ラフスケッチで描かれている世界にそって、物を集めたりします。
今回の仕事は、大ざっぱなラフスケッチなので、ここから、レンズは何ミリにしよう、背景の明るさはこうしよう、ライティングはこんなテイストにしよう、持って行く三脚は、ローアングルのできる三脚にしようなど考えて、画作りをします。
ロケハンをディレクターと行った後にできるラフスケッチでしたら、まだ良いですが、世の中そうとばかりはいきません。ADやD等だけが行ったロケハンから作られたラフスケッチの場合は、いざ現場に着くと思っていたのとだいぶ違う場合があるので、そこから画作りを組み直しという事もあります。
「何だ、広告屋さんは、人の書いた画通りに写せば良いんじゃないか。」と私も属しているJPSの一部の写真家は言います。
でも、人の書いた画+αの写真を写すって、結構大変です。悔しければやってみな!って感じです。
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