連休直前の今日は、岡安君がロックバンドの潜在撮影の後、休み明けの週後半のフィルム撮影のためのフィルム発色テストの撮影を、三次君がしています。
デジタル撮影が99%の今では、この作業は珍しい作業になってしまいました。
チョッと専門的になりますが、プロ用のカラーリバーサルフィルムは、きれいな色を出すために乳剤の製造ロット事に、実効ISO感度と発色傾向が異なります。製造ロットに番号が付けられていて、それを乳剤番号といいます。その、乳剤番号が変る事に自分の使用している現像所での、新しい乳剤の発色を知るために発色テスト撮影をしました。現像し終わった発色テスト用フィルムが現像所から戻ってくると、ライトボックス上でフィルムを見て、撮影の時に使用するCCフィルターを決めました。フィルムをある程度大量に使用するフォトグラファーやスタジオには、現像所が無料のテストフィルムを持ってきて、無料で現像をしてくれたものでした。
一つの乳剤は数ヶ月続きます。4x5、ブローニー、35mmとフィルムの種類によってそれぞれ乳剤番号が異なりますので、結構の回数発色テストをする事になります。
たいがいは、アシスタントのチーフクラスがしますので、自然に色に対する注意力、データー管理能力、作業の継続性等が鍛えられます。
今日撮影したフィルムは、冷蔵庫で保管して休み明けの撮影直前に現像にだします。なぜ、現像を今日出さないかというと、連休前と連休後では現像所の発色が違うのです。年始等は現像所の発色が安定するまで時間がかかりますので、2~3日は現像を出すのを控えました。また、月曜日の午前中は現像が安定しないので、現像を出さなかった程でした。
Kodakのフィルムより、Fujiのフィルムの方が実効感度も発色傾向も安定していました。
品質の一定性は、アメ車より日本の車が壊れないように、やはり日本の特技なのでしょうか?
デジタル撮影になった今は、簡単に書けばRaw撮影でグレイカードを写して、Raw現像をするときに調整すればおしまいです。
夕方、日本写真家協会(JPS)の事務局に、会報の「ブックレビュー」に掲載する写真集を引き取りに行きました。
これらの写真集の表紙を複写しますが、色々な写真集が見られますし、撮影の基本である「複写」が学べる、ボランティア作業です。
JPSが入っているビルの1Fには、JCIIフォトサロンがあります。このギャラリーは地味で、開館時間は10時~17時とあまり親切ではありませんが、展示期間が約1ヶ月と長く、独自の企画をするので、写真好きには、隠れた穴場です。
今は、5月6日まで大倉舜二さんの「東京X」を開催しています。
さて、本の複写のセットは、発色テストの応用です。
一番違うのは、写真集の表紙は黒っぽい光沢の写真があるので、写り込みがけっこうあるので、写り込み防止用の黒パネルを使用してます。ホリゾントの黒いカーテンまで降ろして、余計な光が、被写体の本に回り込まないようにしています。
複写のライティング図です。
複写は撮影の基本と書きましたが、水平、垂直、光の回し方、写り込みを見る注意力、ゴミを注意する力、撮影の持続力、正しい露出の測り方等が勉強できます。
極論を言えば、複写の写真を見れば、そのフォトグラファーの技量(感性ではありません。)がわかります。
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