写真と文章        317       11月14日(木)
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報道写真家・一ノ瀬泰造さんの写真展「もうみんな家に帰ろー!」を拝見しました。

一ノ瀬さんといえば、映画化された著書『地雷を踏んだらサヨウナラ』で知られる報道写真家。
フリーランスフォトグラファーとして、バングラデシュ、ベトナム、カンボジアといった70年代初頭の紛争地を撮影、戦場の最前線にも身を置きながら、人々の姿を撮影し続けました。
1973年、26歳という若さで行方不明となり、1982年にアンコールワット近くで亡くなっていたことが確認されました。


この写真展、タイトルからして印象的です。「もうみんな家に帰ろー!」・・・従軍カメラマンとは思えないほど、柔らかく、どこか人懐っこい響き。

展示されていたのは、銃弾が飛び交う戦場の写真は少なく、戦場となった国々で暮らす人々の姿。子どもたちの笑顔、市場で働く女性、兵士の休息のひとときで、そこには「戦争の中の生活」があり、「戦場の中の人間」が写っていました。
一ノ瀬さんのレンズは、ただ「戦闘」を写すのではなく、「人間」を見つめていたのだと感じます。

だからこそ、「もうみんな家に帰ろー!」という題名が、彼の写真に込められた祈りのように思えるのです。

戦場に生きる人々の姿を通して、「家に帰る」ということの意味を問いかける・・・そんな写真展でした。


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この写真展は、ただ写真を見るだけではいけません。
展示されているのは、一ノ瀬さんが撮影した写真と、彼が実家に宛てて書いた手紙。
写真の下に、その手紙が添えられています。
それを読むことで、写真の見え方がかわります。

写真と手紙を行き来すると、作品の理解が完成します。
そんな展示でした。

写真と文章の関係について、改めて考えさせられました。

写真は「写っているもの」だけではなく、「写した人の想い」でもあります。
その想いを、言葉が補ってくれるのです。


ふと、生成AIの画像生成のことを思いました。

AIで画像を作るとき、私たちは「プロンプト」と呼ばれる文章を入力します。
それは、命令であり、思いであり、設計図でもあります。
一ノ瀬さんの手紙とはまったく異なるものだけれど、そこにも「言葉がなければ生まれない画像」があります。


写真と言葉。
人とAI。
時代も方法も違うけれど、
「言葉が、像を導く」という点では、どこか通じている気がするのです。


写真展は11月30日(日)まで、麹町のJCIIフォトサロンで開催中。日曜もオープンしています。

詳細はココからどうぞ!



by mash_boss | 2025-11-14 10:59 | 写真展 | Trackback | Comments(0)
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