ソール・ライター写真展「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」に行きました。
会場は、渋谷ヒカリエ9Fです。
日本では数年前、東急BUNKAMURAで開催された写真展で人気の出たフォトグラファーの写真展です。
今年が、生誕100年。ご本人は89才で他界されています。
この写真展は、動画はNGですが静止画は撮影OKの珍しい写真展です。
ソール・ライターは、カラーでのニューヨークのスナップが有名ですが、今回の写真展はモノクロやポートレートも展示されています。
それどころか、絵画も展示されていて、こちらもかなりの評価を受けているのです。
よそ様の評価はともかくととして、ステキな画でした。
ユージン・スミスのポートレートです。
ジャズミュージシャンや、アンディ・ウオーホール等のポートレートが展示されています。
今回の写真展で、秀逸だったのはファッション写真です。
アヴェドンやシーフと同等以上の素晴らしいファッション写真を写しています。
バザーやエスクァイアといた、超一流誌の表紙やファッションページを撮影しています。
1950年代は、印刷に使ったポジ(カラースライド)は、フォトグラファーの元には戻ってこない慣習だったようで、殆どが印刷物でしか残っていないとの事です。クレジットにうるさいアメリカでも、こんな時代があったのですね~
惜しむらくは、ソールは1981年にニューヨークの5Th,AVにあったスタジオを閉鎖、商業撮影をやめてしまったようです。
入場者の滞留ができるほど、ファッション写真のコーナーは人気がありました。
ソール・ライターが、亡くなるまで住んでしたニューヨーク東10丁目のアパートを模したコーナーもあります。
ソールは、気の置けない友人と、自分の作品のスライドショーを開いたそうです。
アパートのコーナーの床の上には、コダクロームの箱が・・・
ソール・ライターがエスクァイアに売り込みに行った時は、他のフォトグラファーと異なり、ポートフォリオ等は持って行かず、輪ゴムでとめた、コダクロームの黄色い箱、2箱のポジを持って行ったという事です。
ニューヨークでは、川を渡ったニュージャージーのコダックに現像に出すと数時間で現像が上がりました。
日本でも、川を渡った川崎の尻手にあった東洋現像所(現イマジカ)に持っていくと、翌日にできあがりました。
このフィルムは2009年に販売終了し、2010年には現像受付も終了してしまいました。
ライトボックスの上に置いたポジ達の写真もありました。
ポジフィルムも展示されています。
そのポジを撮影する人達の99%は、スマホです。
会場にはポジフィルムの解説(ちょっと?な)がありました。
そうだよね~ ポジフィルムなんて実物を見た事の無い人たちが殆どだと思うのです。
展示されているポジは、もちろんデュープ(複製)だと思います。
今でも、デュープを作ってくれるラボあるんですかね~
ソール・ライターが使用したポジフィルムはコダクロームです。
外式現像(専門的です。)のコダクロームは、変退色に強いと言われます。
それは、暗いところで保存した場合で、光に当てる、こうしてライトボックスの上に置き続けるような場合は、変退色に弱いのです。
今回の写真展のもう一つの目玉は、この部屋です。
大画面のスライドショーが楽しめます。
10面のスライドショーで上映されるのは、250点の作品です。
ちょっと時間が必要ですが、全部見る事をお勧めします。
こちらは、ソール・ライター写真展と同時に開催中の平間至さんの写真展「写真のうた -PHOTO SONGS-」です。
こちらは、指定場所以外での撮影はNGです。
こちらもなかなか面白い写真展ですが、個人的には平間さんが日大芸術学部の学生だった時の課題写真と、伊島薫さんのアシスタント応募の面接の時に持って行った、ニューヨークで写した写真が面白かったです。