人気ブログランキング参加中です。今日は川廷昌弘写真展「松韻を聴く」を拝見。
会場は新宿御苑近くのギャラリー蒼穹舎です。
川廷昌弘さんは、数少ないシリアス フォトグラファーです。
生業は、某大手広告代理店のCSRグループ推進担当部長。でも、写真に関しては「独特」なポジションの写真家です。
川廷さんの写真を初めて拝見したのは、2009年3月の新宿Nikonサロンで写真展[「松韻」~劉生の頃~]でした。
劉生は。岸田劉生の事です。
物静かな世界観でありながら、それでいて世界をご自分でしっかり咀嚼している写真に惹かれました。
それから12年、同じ「松」ながら東日本大震災を「松」を通して、見つめ、感じ、通過点としてまとめた写真展です。
刺激的な写真は1枚もありません。それでいて地震を確かに表現し、地震に向かっている「独特」な写真です。
以前にも書きましたが、近代写真の父と言われるアルフレッド・スティーグリッツは「肝心なのはモノを見る目だ。技術は誰でも4年もあれば覚えられる。」というような事を言っています。
でも、デジタルの今は「肝心なのはモノを見る目だ。写真はスマホで誰でも写せる」・・・です。
今日思ったのは「技術は誰でも4年もあれば覚えられる。」は技術を覚える4年に、実はそれ以外をたくさん学んでいるのではないか、それに伴いモノを見る目も育つのではないかという事です。
川廷さんの写真は、技術を覚える時間を経て写真を写す構造を経験したからこその写真なのだと思いました。
「百聞は一見に如かず。」と言います。
3月7日までです。