1985/7/30付けのサイン入りです。
写真家田原圭一さん、ご存じですか?
「高校卒業後、劇団のレッド・ブッダ・シアターに参加し、照明と映像を担当。
1972年に劇団のヨーロッパ公演に同行し渡仏。
そこで出会った日本の柔らかい光とは違う、ヨーロッパの刺すような鋭い光に衝撃を受け、パリにとどまり写真家として活動を始める。」という経歴の写真家です。パリ在住でした。
日本より、外国での評価が先で、そして高かったようです。
日本では、日本写真家協会新人賞、 東川賞、木村伊兵衛賞、ADC賞等という、多方面で一流の賞を受賞しています。
世界でもフランスを中心に海外でも多数の授賞をしている、写真家です。
2000年代には、写真だけでなく、建築デザインもなさっていました。
残念な事に2017年に66才で亡くなられました。
田原さんは、1984年にPolaroid20x24撮影プロジェクトで、MASHのスタジオで撮影しました。
写真展「ファンド・シエ・クル」は、今でもあるのでしょうか、ラフォーレミュージアム赤坂で1985年に、海外ではフランス国立写真センターで開催された、大がかりな写真展でした。
「ファンド・シエ・クル」 (fin de siècle)とはフランス語で世紀末という意味だそうです。
ガウディ建築をはじめとするアールヌーヴォー建築を写した写真展でした。
1985年は、バブル経済前夜です。
写真展も豪華でしたが、このポートフォリオも豪華です。
中身は、A3サイズのプリントで20枚で構成されています。
石油ショックからたちなおり、写真展開催はプラザ合意の少し前。
まだ、今年より来年の方が良くなると思えた時代でした。
やがて、バブル経済に突入し、89年12月までは株価も上昇を続けます。
バブル時は、何でもかんでも豪華です。
デジタルカメラなんかない、写真の「価値」が高い時代でした。
これは今の写真です。