人気ブログランキング参加中です。今年の上半期の写真・カメラ業界の三大ショックは、月刊カメラマン休刊、アサヒカメラ休刊、そしてオリンパスの映像部門の譲渡です。
今日は20日。
毎月20日は、カメラ・写真雑誌発売日です。月刊カメラマンもアサヒカメラも、もう書店には並んでいません。
先日の、カメラ・写真雑誌の編集長座談会でも、APA・公益社団法人日本広告写真家の消息筋の話でも、これからのカメラ業界は、我々フォトグラファーが思っている以上に厳しくなるようです。
写真業界ではなく、カメラ業界です。
考えてみれば、昔からカメラがこんなに普及している国は、日本以外にはあまりないように思います。
そのひとつの原因は、第二次世界大戦後、日本はカメラ生産大国になった事もあると思います。そんな時代が長く続きました。
以前、西欧において、日本人男性観光客を風刺的に描いた漫画は、メガネをかけてガニ股出っ歯で、カメラを持った画でした。それ程までにカメラが普及していました。
デジタルになり、カメラ、写真を取り巻く状況は大きく変わりました。
今や、写真の楽しさを教えてくれるは、スマートフォンなのです。アジアの国々でも、アフリカでも、南米でも、そしてカメラ大国日本でもスマートフォンなのです。
カメラが贅沢品の国でも、インフラとして携帯電話が使えれば、自動的に写真と動画が付いてくるのです。
最初から、カメラを持つ事がなくても、カメラそのものを知らなくても写真を楽しむ人達がどんどん増えています。写真や動画を楽しむにはカメラは必要ないのです。
皮肉な事に、携帯電話にカメラ機能を付けた最初のメーカーは、日本の京セラといわれています。PHS電話機(今は無い携帯電話の規格)にカメラ機能をつけました。
そして、今の携帯電話にカメラ機能を付けた最初は、2000年11月に発売されたシャープの携帯電話でした。奇しくも2000年は、コンパクトフィルムカメラと、デジタルカメラの販売比率が50:50になった年です。
最初の頃の携帯電話に付いていたカメラの画素数は数十万画素、それが今は1億画素のものまであらわれました。そして、写真・動画楽しむためのアプリケーションがどんどん開発されていきます。
こういった状況下で、カメラ業界は大変なのです。
コンパクトデジカメは全滅、高級デジカメでしか写せなかった写真の一部もスマートフォンで写せるようになり、スマホでしか使えない写真・動画アプリがたくさんあるのでカメラは歯が立たなくなりました。
カメラは趣味嗜好と、ある時期の子育て記録とプロフェッショナルな世界のモノになりつつあります。
そんな状況下にあったところに、先の見えないコロナ禍で人が集まる事が「悪」になった「今」になり、オリンピックの先行きも不明、「カメラ大変」に拍車がかかりました。
今日の写真は、オリンパスのレンズキャップです。
ファンドに譲渡されるオリンパス、どうなるか業界注目です。譲渡先のファンドがVAIOを再生させた事に光明を見出さざるを得ないでしょう。
オリンパス、OM D,PEN,といったブランド名は残るでしょうが、社名は無理でしょう?
今年の年末には答えがでます。