この写真展、正確には「藤里一郎×景子写真展:ReMarginal」といい、モデルさんにも敬意を表したネーミングになっています。
6x6にカラーネガという「昔」のスタイルで撮影、写真弘社でプリントしたカラープリントが並びます。
カメラはローライフレックス、フィルムはコダック ポートラという組み合わせです。
プロが使う定番の6x6カメラは、ハッセルブラッドです。ローライフレックスを使うというのは、かなり趣味性の高い事です。
この写真展の為に、50本のフィルムを撮影したという事です。
藤里君が持っているのが、二眼レフカメラの最高峰、ドイツ製のローライフレックスです。
後ろは、モデルの景子ちゃんです。
会場には、6x6のコンタクトプリントが展示されていました。
デジタルカメラが一般的になって、20年と少しになりますが、フィルムを知らない若い人も多く、ましてや6x6、ブローニ-フィルムを知らない人はもっと多いので、こんな工夫が必要なのでしょう。
余談ですが、ローライと言えば、巨匠リチャード・アベドンです。
1942年、第二次大戦中、軍隊で父から貰ったローライで、兵隊の証明書用写真を写すことで写真に関わり始めたアベドンは、ファッション写真を写すようになってからも、ローライを使っていたようです。
買っても、使うか使わないかわかりませんが、ローライ、テレローライ、ワイドローライの3台は、今でも欲しいカメラです。
もう一つ余談です。
今日はα6500のシャッターをサイレントモードで撮影していたのですが、ブラインドの影のような縞々がでました。
実際には無い影です。
これは、無音シャッター時にどのメーカーさんのカメラでも起こる、無音シャッターの最大の欠点です。
太陽光の下では起こりません。
室内の照明で起こります。照明器具の種類やシャッタースピード等の組み合わせで起こるので、予測がつきません。
この写真のシャッタースピードは1/200秒でした。
低速シャッターの方が、出にくい現象のようです。
この写真も、シャッタースピードが違えば起きなかったかもしれません。
これが起きて困るのは、私の場合は舞台撮影です。
無音シャッターで、観客にはばかる事なく撮影はできるのですが、この現象が起きてしまう事が稀にあったりするので、困る事があります。
そう頻繁におこらないのですが、できれば無くしてほしいです。
さて、こちらはジナーFと4x5のカラーネガフィルムです。
ジナーFはスイス製のビューカメラです。
今週の土曜から、フォトグラファーの池嶋君は、夏休みで奥様の実家に行くのですが、このセットを持っていって、写真を写すことにしました。
池嶋君は40代前半、彼がMASHのアシスタント時代は、フィルムからデジタルへの過渡期でした。
仕事ではデジタル漬けの毎日、奥様の実家という非日常的空間で、原点回帰の4x5カメラ&フィルム撮影で、ある種のリフレッシュという事でしょうか。
それにしても、大判カメラで写真を写すって、荷物が多くて大きくて大変です。
フィルム時代の仕事では、これが日常でした。
これに、大型の三脚が必要です。
今回三脚は、宅急便で送ったそうです。
今日は、期せずしてフィルムの話題が2つでした。
最近、フィルムを少し知っている年代の人達のなかに、フィルムにノスタルジーを感じる人たちがでてきているようです。
また、フィルムを全くと言っていいほど知らない若い人達は、未知の存在としてのフィルムに興味を持つ人も出てきているようです。時代は動いているようです。
プロとしての写真人生の半分を、否応なくフィルムだったオジサンは、便利さではデジタル、緊張感ではフィルムで甲乙つけがたいですが、仕事はやっぱりデジタルしかありません。
広告系では現像や印刷、後工程等がデジタル用に変わってしまっています。