先日、栗原達生さんの写真展をJCIIフォトサロンで拝見しました。
(JCIIフォトサロンで4月7日(日)まで開催中)
栗原さんは朝日新聞写真部からフリーになったフォトグラファーです。私は広告系のプロになる前に学生の写真組織で学生闘争の写真を写していましたが、栗原さんの写真、仕事に憧れたものでした。
栗原さんの写真はフォト ジャーナリズム・・・ 今では「死語」に近くなってしまった言葉です。
フォト ジャーナリズムの産みの親の雑誌は、世界的に有名な「ライフ」ですが、1936年に創刊され、紆余曲折の末、最終的には2007年に廃刊されてしまいました。
ライフ誌創刊の言葉に曰く
「人の暮らしを見る。世界を見る、偉大な出来事を目撃する。貧しい人々の顔を、誇り高き人々の動作を見つめる。見なれないもの―機械や軍隊、大群衆、ジャングルや月の表面の影を見る。人類が成し遂げた業績― 絵画や塔や発見を見る。何千マイルも離れたものを見る、壁の後ろや部屋の中に隠されたもの、近づくと危険なものを見る。男たちの愛する女性、そして数多くの子供たち。見る、そして見ることに喜びを見いだす。見て驚く。見て教えられる」。
写真の持つ本質を全て含めた言葉です。今でも、写真の持つ力は何も変わっていませんが「紙」媒体の衰退とともに、ライフ誌は廃刊されました。
日本でも「アサヒグラフ」や「毎日グラフ」がありましたが「アサヒグラフ」は2000年に廃刊されてしまいました。現在は自らフォトジャーナリズム誌を名乗る「Days Japan」誌があります。
TVやNetの時代になっても、1枚の写真の力は変わりません。写真の力を認めるからこそ、閉ざされた国々は、自分の国のまずい部分を隠そうとするのです。
写真を趣味とするみなさんの写真、後々重要な記録となるのです。いろんなものを写してください。
そして、今日気になったのが気仙沼の第18共徳丸。撤去が決まり4月から解体作業が始まるとの記事です。
船の持ち主は「後世のことより、今を生きる人たちの心境を考えて決めた」「昭和初期の津波と違い、今回は映像がたくさん残っている。映像を通しても津波の教訓を伝えていくことができる」との事で解体を決めたようです。映像より実物が強いとは思うのですが、残念です。
2011年から1年に1度、年末にここを訪ねて写真を写す事にしています。3回めの今年の暮れには、何も無くなっているでしょう。
近くにお住まいの方で写真を写せる方、4月1日から船が無くなるまで開日1枚写し続けてください。貴重な記録になります。フォト ジャーナリズム等と大上段に振りかざさなくても、写真を残す事は意味があるのです。
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