今日はレップ協会の幹事の方と青山で打合せ。
東京にあって、東京以外には大阪でも殆ど無い写真のジャンル、雑誌を中心とするファッションフォトグラファーがピンチにたたされています。
雑誌のファッションページを撮影するときに、今まで請求可能だった経費が認められないとの通達が、今年の春に、出版社からフォトグラファーに送られてきました。
きっかけは、デジタル撮影です。デジタルになり、経費はフイルム撮影より安くなると出版社は思っていたのですが、実際は違ったのです。ある情報によると、ファッション誌に掲載されている1カットあたりの全ての経費を計算したら、フイルム時代は¥60,000,-だったのに、デジタル撮影になったら¥80,000,-になっていたという事です。
そこで調べたら、レタッチ代やプルーフプリント代、CDロム書き込み料、高画質のデジタルカメラレンタルフイー、デジタルオペレーター代等々フイルム撮影では無かった経費が請求されていて、しかもフォトグラファーによって、その金額に大差があることが判明したのです。Webにおされ気味だった出版社は、どうにかせにゃいかんと思っていたところに、リーマンショック。雑誌に出稿される広告量も減り、本格的に経費圧縮にとりかかり始めたのです。それが、少し勇み足気味で、これまで認められていた経費までNGになりつつあるのです。それに対して、フォトグラファーをマネージメントする会社が集まり対策を協議し始めたのです。
出版社が求めるとおりになったら、「出版文化」が無くなります。蛸が自分の足を食べているようなものなのです。
雑誌のファッションページの撮影料は高くはありません。1ページ¥15,000- ~ ¥30,000,-くらいでしょう。これは有名無名にかかわらずです。そのかわりに、撮影者の名前はきちっと出ますし、表現は殆どフォトグラファーに任せられます。ラフスケッチにがんじがらめの広告と違い、ある種フォトグラファーの本当の「才能」が表現できるのです。そして、「表現」のための経費は、ギャラが安い代わりに認められていたのです。
グラフイックの広告表現は雑誌の表現に影響されたり、雑誌のフォトグラファーの名前を見て、広告撮影の注文がきたりするのです。
「表現」のための経費を削られたりしたら、新しい表現は少なくなり、雑誌は面白くなくなり、ますます売れなくなり、また経費節減になる・・・・
こうなったのは、フォトグラファーにも悪い点は多々あります。適当な大きさで十分なプルーフプリントを、大きく出して枚数で稼ぐ、CD書き込み料を高くする、レタッチを必要以上にする・・・・をやっているフォトグラファーもいたのです。
そして、出版社も正社員は減り、契約社員が多くなり、場合によっては編集プロダクションに編集を投げてしまう。その編プロの社員「教育」がなされていない・・・・
すでに、若い女性が買うファッション誌の写真には、出版社はクオリティーより経費を重視しています。ある種読者は「バカにされている。」のです。
この問題は、どう決着するかは全くわかりませんが、小さな問題で無い事は確かです。
「蟹工船」がブームになりましたが、フリーの若手フォトグラファーは、派遣切りをされる人達と同じです。
東京のファッションフォトグラファーよ、団結せよ!!
こんな事書くと、マネージャーからまた文句を言われてしまいます。
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