おじさん週刊誌 8月4日(土)3477
おじさん週刊誌 8月4日(土)3477_b0069507_7334489.jpg週刊新潮という「おじさん」週刊誌があります。
このところ、ある事情により1週間遅れの週刊新潮を読んでいます。その連載のなかに楡周平さんの「考えない葦」があります。ここ数週間Kodakを扱っているのですが、これがとても面白いです。
それによるとコダックは、すでに1979年に2010年には写真は全てデジタルに移行するという調査結果を持っていたいうことです。でも、銀塩だと1ドルで70セント利益がでる収益構造の銀塩写真を、おそらく1ドルで5セントしか利益の出ないデジタル写真に切り替える事は、目の前の配当重視の株主の手前上できずにいて、結果チャプター11(米国連邦破産法第11章)にいたる結果になったのです。
そして、その結果、コダックの本拠人口21万人のロチェスター市のコダック従業員は82年のピークに6万人以上いたのですが、現在は7千人になってしまったとの事。でも、現在のロチェスター都市圏の就業人口は、コダック全盛期の80年代より10万人も増えて50万人になったという事。それはコダックの従業員には7千人も博士がいて、その人達がコダック退社後、起業をして就業人口が増えたとの事です。
私が、撮影をしていたポラロイドも全く同じでした。80年代末だったと思いますが、モノクロですが、今の水準からしてもかなりきれいな自社製のデジタル写真のプロトタイプを見せてもらった事がありました。また90年代の末には100万画素のデジタルカメラを発売しています。でも、利益率が高く、競合がフジフイルムしか無い、インスタントフィルムから抜けきれず、チャプター11からチャプター9になってしまいました。そういえば、全盛期のポラロイドのうたい文句には、博士が5千人いる企業というのがあったように思います。
さて、以上は写真のハードの話ですが、ソフトであるプロフェッショナルフォトグラファーも同じ事が起きているのです。
産業構造の変化は、全く異なる土俵で戦をする事と同じ事とも書いてあります。プロフェッショナルフォトグラファーの戦場は、全て変わったとは言いませんが、大きな変化が起きています。

※今日のイメージは「考えない葦」の小泉孝司氏作の挿絵からです。

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by mash_boss | 2012-08-05 09:56 | 写真世界等々 | Trackback | Comments(0)
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